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企画趣旨

 日本有数の炭鉱地帯であった福岡県筑豊地区の川崎町に生まれ、天性の芸能者としての資質を、芸者という生き方を選択することで開花させ、“川筋女”の心意気をもって一時代を風靡した歌手・赤坂小梅。

 YOSAKOIソーラン祭りのように若い世代を巻き込んで再生する民謡。若手の歌手や演奏者の新しい解釈によって甦る民謡。そして愛好会・同好会やカラオケに至るまで全国津々浦々、民謡はいまだその命脈を保ちエネルギーを迸らせています。
 この、いかにも昔から歌い継がれてきたような民謡も、国内で広く人々が歌いそして聴き始めたのは明治時代以降、それもマスコミの発達と軌を一にしたたかだか100年も満たない頃からです。

 不況が深刻化していく昭和の初め、せめて歌に託して活路を切り開こうと、新体詩の詩人たちと西洋音楽を修めた作曲家たちのコンビで、様々な地方の様々な歌が発掘・制作され、新作の民謡が続々と登場するなど、民謡ブームが巻き起こりました。
 芸者がこのブームを担いました。芸能のプロが、その粋で艶やかな雰囲気と共に、お座敷で鳴らしたその喉を遺憾なく発揮したのです。

 赤坂小梅は、その大柄な体格と相俟った豪快な性格と、芸者として鍛えた巧みな歌唱力で、昭和56(1981)年の引退公演まで第一線で活躍、『炭坑節』『黒田節』『おてもやん』など一躍日本を代表する民謡に仕立て上げ、また全国各地の数多くの民謡を手がけました。

 この映画は、大正、昭和を唄一筋に生き抜いた“うぐいす芸者・赤坂小梅”を、生まれ育った筑豊・川崎町の風土や、芸者修行に明け暮れた北九州にその足跡を訪ね、一方で、残されたウタや映像を駆使し、関係者のインタビューなどを交えながら、唄を愛し唄に尽くした女の生き様を描きます。そして、大衆と共にあった民謡の持つ豊かさを、赤坂小梅の生誕100年を期して、多くの幅広い世代と共に楽しんでもらえる映画を目指します。

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